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青の抽象的な背景

カンボジア精米機製造・販売・輸出事業調査


対象地:カンボジア国

期間 :① 2012年9月-2013年3月(JICA中小企業連携推進FS調査)

    ② 2012年11月-2013年3月(外務省ODA案件化調査)

    ③ 2013年7月-2015年5月(JICA実証・普及事業)


プロジェクト概要:

本プロジェクトは、農業国でありコメ大国であるカンボジアにおいて、日本の中・小型精米機メーカーが現地製造、販売事業を展開するための支援を行うものです。これまで、JICA及び外務省の中小企業の海外展開支援スキームを活用し、①ビジネスモデルと事業計画を作成するFS調査、②ODAを活用した事業展開を検討する案件化調査、③機材を導入し現地での普及を目的とした普及・実証事業、を継続的に実施し、事業展開の支援を行っています。


背景:

カンボジア米は品質に定評があるのですが、カンボジアのコメ生産量の約半量が国内で精米されずに、籾のままタイやベトナムに非正規ルートで持ち出され、タイ米・ベトナム米として海外に輸出されています。その原因の一つとして、カンボジアの精米所は、老朽化した精米機を利用していることから、輸出規格の精米加工が困難である点が挙げられます。近年、カンボジア政府は、国内での精米加工を推進し、精白米の大幅な輸出拡大を目指しています。日本の精米機メーカーの現地進出は、カンボジアの精米技術の向上という観点から、「籾の流出から精白米輸出へ」、また、「カンボジア米のブランド確立」という目標に貢献できると考えています。




左:籾での持ち出し                  右:精米として輸出


内容


① (JICA中小企業連携推進FS調査:2012年9月~2013年3月)

本調査では、カンボジア国での事業を展開する上で必要となるビジネスモデルと事業計画の策定を支援しました。調査内容は、以下の3点です。

 

1.カンボジアでの市場調査

2.タイ・ベトナムを含む周辺国の部品サプライヤー調査

3.ビジネスモデル/事業計画作成。

市場調査では、顧客候補となりうる精米所のニーズ及び競合品の調査により、販売戦略を作成しました。また、部品サプライヤー調査では、技術面と価格面で提携可能性のある企業を選定し、コスト削減方法を検討しました。これらの調査結果を下に、継続的に現地化を進めることを念頭に置いた短期・中長期的なビジネスモデルと事業計画・数値計画を策定しました。現在、この精米機メーカーの現地法人では、カンボジア製の第1号精米機の出荷を控えている状況です。



左:旧式精米所(市場調査)               右:カンボジア製試作品(部品サプライヤ―調査)



②(外務省ODA案件化調査:2012年11月~2013年3月)

本調査では、上記調査①の中で、商業ベースでの導入は難しいものの、将来的な顧客となりうる層への普及支援策を検討しました。具体的には、カンボジアの精米業界の大部分を占める地元の中小精米所及びコメ生産者グループを支援し、コメ産業の底上げとコメ農家の所得向上に繋がるODA案件形成を行いました。

支援対象とする農協および中小精米所の課題としては、資金力が限られていることと、ビジネスノウハウが十分に備わっていないことが挙げられます。現地では、対象者の現状把握と、これまでの類似案件の失敗事例等を分析し、成功のための条件を次のように考えました。

 

1.対象グループの選定

2.オーナーシップの育成

3.マネージメント力の強化

4.マーケティング力の強化

 

これらを踏まえ、ODA案件の提案に当たっては、実際に事業として成り立つビジネスモデルの確立と小規模な精米事業者が実際に運営できるというモデルケースをつくることを基本方針としました。


農協での協議​


③(JICA実証・普及事業:2013年7月~2015年5月)

本案件は、前回調査②で提案した案件を実際に実施するもので、最終的な目標は、農民の所得向上に直結する農協が、将来的に精米事業を行うためのモデルを示すことです。しかしながら、カンボジアの農協の現状は、組織としての体制および事業者としての経営管理の面において、まだ未熟であることから、本事業では、既に精米商品の市場・販売ルートを持つ支援パートナーとの連携による精米事業モデルを確立することを目指します。

現在、カンボジア政府は、農協の組織強化および事業支援を進めており、特に農協の主要な事業となり得る精米事業の普及も進める方針を出しています。また、JICAでも農協支援の技術協力プロジェクトの準備が進められています。本案件を成功事例として、現地政府およびJICA案件との連携を図りつつ、全国的な普及体制が構築されるように取り組む所存です。




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