省エネファンド アドバイザリーサービス
対象地:バングラデシュ国 対象機関(C/P):バングラデシュ金融基金(BIFFL)
期間 :2018年5月~2023年5月
発注者:バングラデシュ・インフラ金融基金
(Bangladesh Infrastructure Finance Fund Limited【BIFFL】)
プロジェクト背景と開発課題:
バングラデシュ(以下、バ国)のエネルギー需要は、安定的な経済成長を背景に急速に増加が続いています。その中でも産業セクターが最大のエネルギー消費セクターであり、全体のエネルギー消費量の約50%を占めています。産業セクターの次に家庭でのエネルギー消費量が多く、両セクターともに省エネ機器導入によるエネルギー消費量改善余地があります。また、バ国政府の省エネマスタープランにおいては、国のエネルギー消費原単位(一次エネルギー消費量/GDP)を2021年までに15%、2030年までに20%削減することを目標として掲げています。
バ国の目標に対し、JICAとバ国の持続再生可能エネルギー開発庁 (SREDA)は、一般民間企業・工場などが積極的に省エネ製品を導入を可能にするための資金アクセスを確立するため、省エネ低金利ローンを設立し、政府系金融機関であるBIFFLがローンを企業に提供する金融執行機関となりました。
省エネローンの提供は以下のような流れで実施されています。
①省エネローンに興味のある現地企業が、導入予定の省エネ機器情報や運営計画を入れた応募申請をBIFFLに出す。
②BIFFLがコンサルタント(JDI)と応募申請の精査・スクリーニングを行い、SREDAが公開する省エネスペックに合致するかを確認した上でSREDAに申請する。
③SREDAは提出書類から省エネ性・事業性を確認しBIFFLにNOC(No Objection Certificate)を発行する。
④BIFFLのファンドは現地銀行をとおして現地企業へ資金(ローン)を提供する。
左:BIFFL関係者ら 右:BIFFL職員へのセミナー
JDIの役割:
JDIは本省エネローン事業の支援のため、クロアチア及びバ国コンサルティング会社と共同企業体を結成し、同企業体の代表コンサルタントとして国際競争入札を経て、BIFFLから本件に係るアドバイザリーコンサルタント業務を受注しました。
省エネローンはバ国政府及びBIFFLにとって新規の事業となるため、運営面、技術面でコンサルタント等による支援が必要となります。JDIはコンサルタントとしてBIFFLに対し様々なサポートを提供し、省エネローンの円滑で効果的な運営を実現しながら、BIFFLの担当官・職員の能力向上を図っています。
JDIの主な業務
省エネローン申請候補企業への訪問・ヒアリング調査による企業の信頼性確認
申請書類の精査・財務諸表審査及び取り纏め・報告業務
BIFFLに対する省エネ低金利ローンの戦略的融資計画の策定
省エネ審査の手続きにかかる制度構築・向上支援
BIFFLの環境社会配慮にかかる能力向上支援
省エネローンの広報普及活動(市場分析、候補事業者・工場訪問、省エネセミナー開催など)
省エネ機器の導入後のモニタリング、視察・点検、企業の運営管理体制・評価にかかるBIFFLの能力向上
本邦及び第3国での海外研修の企画・実施
左:工場視察(ローン審査支援) 右:工場建設予定地視察(ローン審査支援)
左:省エネセミナーの様子 右: 省エネセミナーに登壇した小林(総括)