地域における経済特別地域等の形成・発掘可能性調査
対象地:カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム
期間 :2009年7月
プロジェクト概要
この案件は経済産業省の委託を受けて、CLMV 諸国の産業競争力強化や現地日系企業の域内 での活動支援に繋がる支援プロジェクトを模索したものです。具体的には経済特別区 (Special Economic Zone)と言われる、当事国の一般法・組織制度とは格別の法制度体系 が適用される産業基地を、今後CLMV 各国で整備していくための経済・政策提言をまとめま した。
CLMVとは
CLMV 諸国とは、Cambodia、Laos、Myanmar、Vietnam の頭文字をとってつけられた、ASEAN の中で比較的経済開発の遅れた諸国の総称です。CLMV 諸国では労働賃金など経済的な格差 が周辺国との間にあり、この点では産業の競争力を強めたい企業にとっては産業立地国と して魅力的です。しかし電力供給や物流システムなど、産業インフラと呼ばれる産業活動 を支える一翼は未だ十分に整備されているとは言えないのも現状です。またビジネスをし ていく上で重要となる、法整備やその運用、通関や出入国管理などのビジネス環境も投資 企業にとって必ずしも良好とは言えません(汚職などもビジネス阻害要因として顕著です)。 一方ベトナムを除く3 カ国は、日系企業も多く進出し経済・産業開発が進むタイと国境を 接していていることもあって、とりわけ国境地域での産業拠点整備が進めば、産業インフ ラはタイ側のものが使えます。さらに法整備・ビジネス環境改善については経済特別区と いう日本の鎖国当時の“出島”の仕組みを当事国政府に理解してもらい、運用することで 解消していけます。
経済特別区への期待
この経済特区開発はJDI がこれまで多くの時間と労力をつぎ込んでタイ・インドネシア・ 中国・マレーシアなどで実現させ、経験もノウハウも蓄積してきた事業分野です。導入実 績も豊富で経済効果もはっきりしていることから、4 カ国すべての国でその導入メリットを アピールすることができました。とりわけタイ国境地域での経済特区の開発は、官民の間 から実施に向けた強い要請が上がり、本調査でまとめられた特区開発の具体的な指針・支 援策は今後のCLMV 経済・産業開発の上での重点なテーマとして、2007 年8 月にマニラで行 われたAMECC 閣僚会議でも議論され、特区導入に向けた実施・支援策を今後まとめていく ことで合意がなされました。これからのCLMV における経済特別区開発の動向に注目が集ま っています。
道路・港湾設備といったハードインフラの他、スムーズな通関手続きなど
ソフトインフラ整備も競争力ある経済活動環境を提供していくのに必要不可欠
経済特区開発はJDIがこれまで多くの時間と労力をつぎ込んで、
経験もノウハウも蓄積してきた事業分野