top of page
青の抽象的な背景

平成23年度インフラ・システム輸出促進調査等委託事業(グローバル市場におけるスマートコミュニティ等の事業可能性調査:カンボジア国アンコールワット地域スマートコミュニティ事業可能性調査)

対象地:カンボジア

期間 :2012年3月-2013年2月


プロジェクト概要:

現在年間200 万人以上、2020 年には年間370 万人以上の国際観光客を見込むカンボジア国シェムリアップ市アンコール遺跡周辺を対象に、①上下水道、水リサイクル事業を含む環境都市開発MC&MCC 事業、②EV 交通システム事業、③スマートエネルギー事業を中核としたスマートコミュニティ事業開発性調査を行い、アンコール遺跡周辺おける最適なエネルギーマネジメントシステムを構築することを目的とした調査を行いました。

内容:

世界遺産であるアンコール遺跡周辺は、観光客の急増に伴い、大気汚染やインフラ整備の遅れが顕著になっています。本事業では、持続可能なアンコール遺跡周辺の発展のために、水リサイクル、電気自動車、太陽光発電などの技術を適用したスマートコミュニティ開発を目指しています。プロジェクト実施中、アンコール遺跡を管理しているカンボジア政府機関であるアプサラ機構とJDIを含む日本企業3社との間でMOUを締結し、事業の実現に向けた取り組みを行うことを確認しました。スマートコミュニティを構成する各事業は以下の通りです。

 

上下水道、水リサイクル事業を含む環境都市開発MC&MCC事業

カンボジア及びメコン地域の生活文化、遺跡、自然を紹介し、シェムリアップでの長期滞在者を増やすことを目的に、MC&MCC (Mini-Cambodia & Mekong Cultural Center)の構想が開始されました。本事業では、インフラ設計の専門家と、都市計画の専門家により、マスタープランが完成されました。アンコール遺跡では、洪水対策としてシェムリアップ川の増水した河川流をアンコール遺跡の東西に位置する湖(バライ)に分流させ、遺跡や集落を守る維持管理システムを保有していたことが明らかになっています。MC&MCC のインフラ計画においても、アンコール遺跡をモデルにした雨水排水システムを導入し、当時のアンコール時代の技術者が取り入れた効率的な設計思想を導入することにより、訪れる観光客に当時の技術の高さを回顧する機会を与えることができると考えました。

 

 

EV交通システム事業

アプサラ機構はこれまで独自でEV事業を進めており、今後EV事業を拡大したい意向を示しているため、日本企業の参画の可能性について検討を行いました。現在アンコール遺跡内には車両乗入規制がなく、様々な車種が混在し渋滞を引き起こしています。そこで調査団は、新設されるチケット・センターにEVカーパークを設け、チケット・センターから遺跡を周遊するルートにEVを段階的に導入する計画を策定しました。観光客のニーズに応じて、①EVバス、②EVカート、③EVカー、④EVトライシクルの4車種の導入を検討しました。今後もEVの技術革新や価格低下などの動向を反映しEV事業計画を詳細に詰めていきたいと考えています。

 

スマートエネルギー事業

シェムリアップの電力はタイの電力公社であるEGATから供給され、年々増加する電力需要に対応できていない状況にあります。MC&MCC内で自家発電を行うことにより、新規の需要増を賄うことが必要になっており、特に太陽光発電の導入は遺跡保護、CO2削減、及び購入電力量削減の観点から有効です。太陽光発電1MW~4MWの導入を検討しましたが、事業採算性の確保が難しく、MC&MCC全体の収支計算と整合性を図りながら導入規模を検討する必要があります。

本事業の実現に向け、JDIではSPC(特別目的会社)の設立準備をしています。本年度は事業内容の明確化、ビジネススキーム・詳細計画の策定及び戦略的事業投資家候補への目論見書提示を行います。

bottom of page