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青の抽象的な背景

精米機製造・販売・輸出事業調査(中小企業連携促進)

企業名:株式会社タイワ精機

対象国:カンボジア国プランペン市近郊

​期間 :2012年9月~2013年3月


関連プロジェクト

カンボジア国 精米機製造・販売事業に基づくODA 案件化調査

カンボジア国 農協/支援パートナーの連携によるミニライスセンター普及・実証事業


プロジェクト概要


農業国でありコメ大国であるカンボジアにおいて、日本の中・小型精米機メーカーが現地製造、販売事業を展開するための支援を行うものです。本プロジェクトでは、ビジネスモデルと事業計画を作成するFS調査を行いました。


プロジェクト背景と開発課題


カンボジア米は品質に定評がある一方で、自国消費の倍の約400 万トンの余剰籾を生産しているものの、カンボジアのコメ生産量の約半量が国内で精米されずに、籾のままタイやベトナムに非正規ルートで持ち出され、タイ米・ベトナム米として海外に輸出されています。その原因の一つとして、カンボジアの精米所は、老朽化した精米機を利用していることから、輸出規格の精米加工が困難である点が挙げられます。近年、カンボジア政府は、国内での精米加工を推進し、カンボジア米として精白米の大幅な輸出拡大を目指す全面的な政策支援を発表しています。


企業の製品・技術

※フンセン首相との出会い


本プロジェクトより約15ほど前になる1996年、日本国内で豊富な実績を持つ精米機製造メーカーであるタイワ精機社は、フンセン大統領の依頼によって、カンボジアのフンセン村に1台の精米機を寄贈し、フンセン首相から勲章を授与されました。しかし、その精米機は日本で主流の短粒米対応の精米機であったため、カンボジアの長粒米は精米中に折れることが多く、精米機の製造者としては忸怩たる思いを残すものでした。


カンボジアで長粒種米の研究開始


提案企業は、1996年の苦い経験から、世界に流通するコメの85%を占める長粒米市場に進出することを決め、2010年からカンボジアにて開発研究を開始し、2012年には、性能試験を完了し、輸出基準をクリアしました。本事業での提案製品は、小型でありながら歩留まりがよく、砕米率の低い精白米の生産が可能であるため、現在、精米産業を支える大多数の中小精米所に対応した製品です。


プロジェクトの成果(または目標)


現在、Rice Policyによって今後コメの大幅な輸出拡大を目指すカンボジアにおいて、タイワ精機の現地進出によって、カンボジア製の精米機の製造と、日本の加工技術及びサービスを提供し、「籾の流出から精白米輸出へ」、また「カンボジア米のブランド確立」を目標として、本事業を実施しました。

同事業の目的は以下の4 点です。

  • カンボジアにおける砕米率を低下させる精米機の普及

  • 中間層精米業者による輸出事業の促進

  • 産地農協や中小精米工場の精米設備の更新による農村の収入改善・自立を促進

  • 上記を通じて、「カンボジア米」のブランドを確立



JDIの役割


カンボジア国での事業を展開する上で必要となるビジネスモデルと事業計画の策定を支援しました。調査内容は、①カンボジアでの市場調査、②タイ・ベトナムを含む周辺国の部品サプライヤー調査、③ビジネスモデル/事業計画作成です。

市場調査では、顧客候補となりうる精米所のニーズ及び競合品の調査によって、販売戦略を作成しました。また、部品サプライヤー調査では、技術面と価格面で提携可能性のある企業を選定し、コスト削減方法を検討しました。これらの調査結果を基に、継続的に現地化を進めることを念頭に置いた短期・中長期的なビジネスモデルと事業計画・数値計画を策定した。



左:籾のまま持ち出し(取り引き)されている         右:コンテナを利用した精米製品の輸出


左:旧式精米所(市場調査)             右:カンボジア製試作品(部品サプライヤ―調査)

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