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青の抽象的な背景

精米機製造・販売事業に基づくODA案件化調査-日本の精米技術に基づく中小精米業の技術・品質向上-


企業名:株式会社タイワ精機

対象国:カンボジア国プランペン市近郊

​期間 :2012年11月~2013年3月


関連プロジェクト


カンボジア国 精米機製造・販売・輸出事業調査(JICA中小企業連携推進FS調査)

カンボジア国 農協/支援パートナーの連携によるミニライスセンター普及・実証事業


プロジェクト概要


農業国でありコメ大国であるカンボジアにおいて、日本の中・小型精米機メーカーが現地製造、販売事業を展開するための支援を行うものです。本プロジェクトでは、先立って実施したFS調査を基に、商業ベースでの導入は難しいものの、将来的な顧客となりうる層への普及支援策を検討しました。具体的には、カンボジアの精米業界の大部分を占める地元の中小精米所及びコメ生産者グループを支援し、コメ産業の底上げとコメ農家の所得向上に繋がるODA案件形成を行いました。


プロジェクト背景と開発課題


カンボジア国のコメ産業の裾野を構成しているのは、コメ生産者および中小・零細精米所であり、それぞれ農業人口と精米所の大部分を占めています。この層に直接裨益する精米プロセスを近代化することによって、裾野産業からカンボジア国のコメ産業全体を強化することに繋がります。

​自己資金の利用及び銀行融資の活用による籾の買い付けができる大規模な精米所は、効率的なビジネスを行うことが可能ですが、中小精米所の場合、資金力が弱く、銀行融資へのアクセスも限られていることも課題となっています。

カンボジア国の農協が経済事業を本格的に開始する上での基本的な課題は、1)マネージメント能力の不足、2)組合員の人数及び出資金が小さいこと、3)事業計画がないこと、4)利益の大部分を配当に回し内部留保が少ないことなどが考えらえれます。


企業の製品・技術


タイワ精機は世界に流通するコメの85%を占める長粒米市場に進出するため、2010 年から開発研究を開始、2012年には、性能試験を完了し、輸出基準をクリアしました。本事業での提案製品は、小型でありながら歩留まりがよく、砕米率の低い精白米の生産が可能であるため、大規模な精米機導入をする資金力を持たない中小精米所に対応した製品です。


プロジェクトの成果(または目標)


支援対象とする農協および中小精米所の課題としては、資金力が限られていることと、ビジネスノウハウが十分に備わっていないことが挙げられます。現地では、対象者の現状把握と、これまでの類似案件に係る失敗事例等を分析し、成功のための条件を次のように考えました。

  • 対象グループの適切な選定

  • オーナーシップの育成

  • マネージメント力の強化

  • マーケティング力の強化

これらを踏まえ、ODA案件の提案にあたっては、実際に事業として成り立つビジネスモデルの確立と小規模な精米事業者がか実際に運営できるというモデルケースをつくることを基本方針としました。


JDIの役割


カンボジア国での事業を展開する上で必要となるビジネスモデルと事業計画の策定を支援しました。調査内容は、①カンボジアでの市場調査、②タイ・ベトナムを含む周辺国の部品サプライヤー調査、③ビジネスモデル/事業計画作成です。

市場調査では、顧客候補となりうる精米所のニーズ及び競合品の調査によって、販売戦略を作成しました。また、部品サプライヤー調査では、技術面と価格面で提携可能性のある企業を選定し、コスト削減方法を検討しました。これらの調査結果を基に、継続的に現地化を進めることを念頭に置いた短期・中長期的なビジネスモデルと事業計画・数値計画を策定しました。


左:農協での協議                      右:中小精米所 訪問



左:市場調査                        右:スーパーのコメ売り場

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